1979年5月に全米でリリースされたアルバム(日本での発売は79年7月)。実は、ファーストアルバムではない。というのも、次に挙げる「YELLOW MAGIC ORCHESTRA(日本版)」が本当のファーストアルバムであるからだ。YMOに填ったきっかけは「ライディーン」や「テクノポリス」だという人は多い。かくいうMEもその人であり、当時「ソリッド・ステート・サバイバー」以外に出ているYMOのアルバムと言えばこれだったからだ。
サウンド的には、「YELLOW MAGIC ORCHESTRA(日本版)」を整理して聞きやすくなっている。「東風」に追加された吉田美奈子のボーカルも気持ち良い。元々、マーティン・デニーの「ファイヤークラッカー」をコンピュータを使ってリメイクして、それを400万枚以上売りたいというのが、細野の思惑であった。いわゆる「ピコピコ音」=「テクノポップ」の誕生である。YMO以前にはクラフトワーク、ヴァンゲリスなどがいたが、それはテクノではなくミニマルミュージック(繰り返しの音楽)だった。当時テクノポップと呼ばれていたグループは、ヒカシュー、プラスティックスなどがいた。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. コンピューター・ゲーム −サーカスのテーマ−/
COMPUTER GAME "Theme From The Circus"YMO A.2. ファイアークラッカー/FIRECRACKER マーティン・デニー A.3. シムーン/SIMOON 細野 A.4. コズミック・サーフィン/COSMIC SURFIN' 細野 A.5. コンピューター・ゲーム −インベーダーのテーマ/
COMPUTER GAME "Theme From The Invader"YMO B.1. イエロー・マジック(東風)/
YELLOW MAGIC (TONG POO)坂本 B.2. 中国女/LA FEMME CHINOISE 高橋 B.3. ブリッジ・オーバー・トラブルド・ミュージック/
BRIDGE OVER TROUBLED MUSICYMO B.4. マッド・ピエロ/MAD PIERROT 細野
1978年11月リリースのファーストアルバム。「YELLOW MAGIC ORCHESTRA(米国版)」とは、ミックスが違い、曲数もこちらの方が多い。その収録されなかった曲がラストの「アクロバット」である。最初にできた「ファイヤークラッカー」をベースに、当時流行のコンピュータゲーム(と言ってもインベーダーゲームはゲーセンではなく、喫茶店には置いてあったが...)をモチーフに広げていった。A面の最初とA面の最後、そしてB面の最後をコンピュータゲームでやりたかったわけだ。それにしてもB面すべてがメドレーでノンストップであることには驚いたもんだ。
コンピュータを使った音楽と言っても当時、MIDIなどはなかった。もちろん、デジタルコントロールなシンセサイザーなど無かった。当時のシンセは、洋服ダンスぐらいの大きさがあり、多くのつまみが並び、各モジュールを接続するケーブルの山であった。音は同時に2つ以上鳴らず、一度作った音は紙にメモリの位置を記録するという時代。自動演奏のための専用ツール、シーケンサは存在したが、音程情報と発音タイミングを8系統、電圧として出力すると言うものであった(Roland:MC−8/¥1.2M)。そこで格闘していたのが松武秀樹だ。彼は日本におけるシンセサイザー奏者の第一人者「冨田勲」の言わば弟子である。
このアルバムの前には、高橋ユキヒロがソロアルバム「サラヴァ」を、このアルバムの後に坂本龍一が「千のナイフ」、「サマー・ナーヴズ」を出している。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. コンピューター・ゲーム −サーカスのテーマ−/
COMPUTER GAME "Theme From The Circus"YMO A.2. ファイアークラッカー/FIRECRACKER マーティン・デニー A.3. シムーン/SIMOON 細野 A.4. コズミック・サーフィン/COSMIC SURFIN' 細野 A.5. コンピューター・ゲーム −インベーダーのテーマ/
COMPUTER GAME "Theme From The Invader"YMO B.1. 東風/TONG POO 坂本 B.2. 中国女/LA FEMME CHINOISE 高橋 B.3. ブリッジ・オーバー・トラブルド・ミュージック/
BRIDGE OVER TROUBLED MUSICYMO B.4. マッド・ピエロ/MAD PIERROT 細野 B.5. アクロバット/ACROBAT 細野
1979年9月に発売されたセカンドアルバム。もっとも売れ、もっとも人々に愛されたアルバムである。そして、YMO人気を爆発させ、不動にしたのもこのアルバムである。
当時、MEは中学生。冨田勲でシンセを知り、その音色の豊かさと自由さに度肝を抜いた。そしてFMで聞いたライディーン。ノリの良さ、曲のかっこよさ、効果音のすばらしさ、一聞きでその虜になった。
このアルバムは曲数が8曲と少ない。しかし、ライディーン、テクノポリス、ビハインド・ザ・マスクと言った有名曲が目白押し。ライディーンは、「七人の侍」がイメージだった。でも宇宙でレーザー光線の撃ち合いになった。テクノポリスの「トキオ」の声は、東京駅の「とうきょ〜う!」という場内アナウンスがヒントだった。ただ、そのままでは面白くないのでフランス語にしたわけだ。その後、沢田研二も「ト・キ・オ」と言う曲を出している(作詞は糸井重里で、彼はFM番組でYMOと競演している)。
このアルバムでの特徴は、やはりボコーダーの多用であろう。「トキオ」やビハインド・ザ・マスクのサビだけでなく、アブソリュート・エゴ・ダンス、キャスタリア、インソムニアにも出てくる。これはRolandのボコーダープラス:VP−330(¥295K)である。これにはストリングスアンサンブルとヒューマンヴォイスも出力できる。ビハインド・ザ・マスクのAメロの部分は、これが使われているのだろう。なお、不思議なことに、これ以降のアルバムに収録されている「ビハインド・ザ・マスク」では、作曲者の名前に「高橋幸宏」の名がない。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. TECHNOPOLIS 坂本 A.2. ABSOLUTE EGO DANCE 細野 A.3. RYDEEN 高橋 A.4. CASTALIA 坂本 B.1. BEHIND THE MASK 高橋・坂本 B.2. DAY TRIPPER レノン・マッカトニー B.3. INSOMNIA 細野 B.4. SOLID STATE SURVIIVOR 高橋
1980年2月に発売されたYMO初のライブアルバムである。サポートメンバーとして松武秀樹(コンピュータ・プログラマー)、矢野顕子(キーボード、坂本龍一の奥さんでもある)、渡辺香津美(ギター)が参加しているが、契約上の問題から渡辺香津美のギターがカットされた。その代わり、スタジオで坂本龍一がギターパートというか、ソロキーボードをオーバーダブしている。なにげに聞くと格好いいライブアルバムなのだが、良く聞くと後から付け加えられたシンセの音に気づくだろう。そう言った経緯もあり、皮肉を込めて「公的抑圧」と名付けたのであろう。なお、渡辺香津美のギターは、後に発売された「フェイカー・ホリック」には収録されている。
このアルバムで、もっとも好きなのは「コズミック・サーフィン」である。ファーストアルバムでのフュージョン色が無くなり、乗り乗りのディスコ調である。「ラジオ・ジャンク」はYMOの曲ではない。高橋ユキヒロが「シーナ&ロケッツ」の「真空パック」と言うアルバムのために書き下ろした曲である。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. RYDEEN 高橋 A.2. SOLID STATE SURVIIVOR 高橋 A.3. TONG POO 坂本 A.4. THE END OF ASIA 坂本 A.5. COSMIC SURFIN' 細野 B.1. DAY TRIPPER レノン・マッカトニー B.2. RADIO JUNK 高橋 B.3. LA FEMME CHINOISE 高橋 B.4. BACK IN TOKYO YMO
1980年6月に発売されたミニアルバム。当時、このアルバムは段ボールの枠に填められて、売られていた。レコード自体は25cmというサイズであった。ジャケットは彼らのミニチュアを数多く並べたものであり、元々フジカセットのCM用であった。アルバムの構成も当時、誰もが驚いた。なぜなら曲だけでなく、スネークマンショーのコントが入っていたからである。曲間にコントが入っていると言うべきか、コントの間に曲が入っていると言うべきか...
スネークマンショーは、以後もコントのアルバムを出し続けた。コントの合間には、YMOやそのファミリーの曲などが使われた。特に、最初のアルバム「急いで口で吸え!」では、どのアルバムに収録されていないYMOのオリジナル曲「開け心」が収録されている。元々この曲はフジカセットのCM用に書き下ろされたもので、「磁性期」というタイトルだった。ベースが無く、モノラルミックスという謎めいた曲であった。
この年には2回目のワールドツアーが行われており、アルバムより先に「ナイス・エイジ」はテレビ中継やFMのライブ中継で聞いていた(間奏で入る謎のナレーションは、元サディスティック・ミカ・バンドのミカである)。なお、ラストの「ジ・エンド・オブ・エイジア」は坂本龍一の「THOUSAND KNIVES」というファーストアルバムからのリメイクである。YMO初期の華やかなテクノポップ最後のアルバムである。米国版の「マルティプライス」はこの「増殖」と「ソリッド・ステート・サバイバー」の曲が収録された。英国版にはコントと「ファイヤー・クラッカー」も収録。
この後、高橋ユキヒロの「音楽殺人」、坂本龍一の「B−2ユニット」がリリースされている。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. JINGLE "Y.M.O." YMO A.2. NICE AGE 高橋 A.3. SNAKEMAN SHOW − A.4. TIGHTEN UP
(JAPANESE GENTLEMAN STAND UP PLEASE!)ERNY WATS A.5. SNAKEMAN SHOW − A.6. HERE WE GO AGAIN -TIGHTEN UP ERNY WATS B.1. SNAKEMAN SHOW − B.2. CITIZENS OF SCIENCE 坂本 B.3. SNAKEMAN SHOW (THE MAGNIFICENT SEVEN) − B.4. MULTIPLIES YMO B.5. SNAKEMAN SHOW − B.6. THE END OF ASIA 坂本
1981年3月に発売されたアルバム。一般的に、このアルバムと次のアルバムを合わせて、YMO中期と呼ぶ。YMO中期は暗いイメージがある。彼らはあまりに人気になってしまったYMOをどうしようか悩んでいた。よりポップなものノリの良い物をファンは期待していた。しかし、彼らが選んだ道は全く逆だった。わざとファンの切り離しを図り、次のステップに進んでいたのである。今の熱狂的なYMOファンにとって、もっとも愛されているアルバムである。
曲はA面とB面のラストのみ5分20秒で、残りはすべて4分30秒である。曲のサイズ(構成)が少し変わっているのは時間調整のためでもある。片面の合計時間が23分20秒、実際には曲間を含めて約24分あるのだが、これが46分テープの片面に収まるかどうか、どきどきしながら録音したことを憶えている。
このアルバムを聞いて、何がなんだか分からないと思う人は多いだろう。取っ付きやすい曲は、「CUE」や「U.T.」だろう。しかし繰り返し聞くうちに、どんどんとその良さに填っていく。MEがもっとも好きな曲は「MASS」だ。落ち込んだときに聞くとなんだか力が漲ってくる。後半のアグレッシブなストリングスが気持ち良い。
当時、レコーダはアナログの24チャンネルが当たり前であった。アルファスタジオのAスタジオには早々に3Mデジタル製の32チャンネルデジタルマルチレコーダが導入されていた。しかし、彼らはそのピュアでストレートな音に馴染めなかった。そこで、リズム隊はティアック製のアナログ1/2インチオープンリール8チャンネルマルチトラックレコーダ(80−8)を使用して録音した。それをデジタルマルチにコピーし直して使った。
サウンドはシンプルだが、リズム隊にはローランド製のプログラマブルリズムマシンTR−808(¥150K)が随所に使われている。一部ではBOSSのDR−55(¥19.8K)も使われている。個性的なメロディーは、シーケンシャルサーキットのプロフェット5(¥1.2M)によるものだ。なお、ジャケット裏は機材リストになっている。残念ながら、CDではほとんど解読不能である。
その後、高橋ユキヒロはBGMのエッセンスをふんだんに盛り込んでさらにロマンチックにした「ニウ・ロマンティック」を、坂本龍一は「左腕の夢」(彼は左利きである)をリリース。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. BALLET/バレエ 高橋 A.2. MUSIC PLANS/音楽の計画 坂本 A.3. RAP PHENOMENA/ラップ現象 細野 A.4. HAPPY END/ハッピーエンド 坂本 A.5. 1000 KNIVES/千のナイフ 坂本 B.1. CUE/キュー 細野・高橋 B.2. U・T/ユーティー YMO B.3. CAMOUFLAGE/カムフラージュ 高橋 B.4. MASS/マス 細野 B.4. LOOM/来るべきもの YMO・松武
1981年11月発売。YMO中期のラストのアルバム。特徴的なのはそのサウンドとワールドワイドなエッセンスである。ジャケットは、このおばさんバージョンと化粧した不気味な3人の写真バージョンがある。3人の顔がでていないと、YMOと分からないだろうという理由で、一時期だけ後者のバージョンが世に出た。
今では「サンプリング」とか「サンプラー」と言えば、どういうものであるかはすぐに分かるであろう。当時、そのような用語さえなかった。「『実際の音をPCM化してメモリに取り込んで、それを再生する機械で、更に音程を変えて鳴らすことも出来るやつ』を使って作ってあるんだぜ!」 このサンプラーは東芝のエンジニア・村田研二が作ったもので「LMD649」というマシンである。松武秀樹はこれの改良型をマッキントッシュのアップルの筐体に入れていた。彼はこれを「オレンジ」と呼んでいた。当時「イーミュレータ」というサンプリングキーボードがあったが、2〜3百万して買えなかったので、これを作ったという話である。
バリ島に伝わる伝統舞踊「ケチャ」、雅楽の「笙」の様なサウンド、美しいストリングス、バケツのスネア、機械音。サイケデリックをもじって「テクノデリック」と名付けられた。ある日、「プロローグ」で流れている機械音の正体に気づいた。どこかの工場ででも録音したように思っていたが、その正体はスライドチェンジャーであった。
前作「BGM」で「CUE」は細野晴臣と高橋ユキヒロが「手掛かりをくれ〜」と作った曲であるが、このアルバムでの「KEY」はその続きの曲。やっとその「鍵」が見つかったわけだ。
この後、高橋ユキヒロは鈴木慶一とのユニット「ビートニクス」で「出口主義」を、松武秀樹が「ロジックシステム」をリリース。細野晴臣はイーミュレータUを多用した「フィルハーモニー」を、高橋ユキヒロは「WHAT ME,WORRY?」を、坂本龍一は「ジ・エンド・オブ・エイジア」、「アレンジメント」、「戦場のメリークリスマス」をリリース。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. PURE JAM/ジャム 高橋 A.2. NEUE TANZ/新舞踊 YMO A.3. STAIRS/階段 高橋 A.4. SEOUL MUSIC/京城音楽 高橋・坂本 A.5. LIGHT IN DARKNESS/灯り 高橋・坂本 B.1. TAISO/体操 YMO B.2. GRADATED GRAY/灰色(グレイ)の段階 細野 B.3. KEY/手掛かり 細野・高橋 B.4. PROLOGUE/プロローグ 坂本 B.5. EPILOGUE/エピローグ 坂本
1983年5月発売。YMO後期の始まりだ。YMOは中期の暗いテクノから歌謡曲を意識した後期に移行した。化粧品のコマーシャルでヒットした「君に、胸キュン。」で歌謡界に殴り込みをかけたのだ。
当初、この「胸キュン」は収録予定ではなかったようだ。シングルB面の「カオス・パニック」が収録される予定だった。しかし、大ヒットのこの曲を入れないわけにも行かず、急遽アルバム構成が見直しされたのだと思う。ちなみに、この次のヒット作となった「過激な淑女」は、YMO現役時代のどのアルバムにも収録されていない。
全曲、非常に聞きやすいポップな曲なのだが、3人の個性がだんだんと強く現れてきている。ポップな高橋、繊細な坂本、重厚な細野と言った感じ。高橋はビートルズの影響が強く、ふと思いついた単純なメロディーが、アレンジによって強烈な忘れられないインパクトの曲に代わっていく(「希望の路」、「OPEND MY EYES」)。坂本は芸大出身だけあって、曲を作ると言うより、デザインしている感じだ。ドラムパターンは複雑で、サウンドも色々なパートが重なっているのが多い(「音楽」、「邂逅」)。細野はオリエンタルサウンドが大好きで、音域が低い物が多い(「LOTUS LOVE」)。まあ、自分の声の低さに合わせているのだから、当たり前かもしれない。
これが共作となると、少し事情が変わってくる。明らかにつぎはぎされてできている曲(「WILD AMBITIONS」)もあるが、「以心電信」、「希望の河」などは、第4の個性=YMOと言っても良い。だから、3人の共作はものすごい。このアルバムでは胸キュンだけだが、曲のパワーと言い、アレンジと言い、構成と言い、申し分ない。まさしくこれがYMOサウンドである。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. 君に、胸キュン。(浮気なヴァカンス) YMO A.2. 希望の路/EXPECTED WAY 高橋 A.3. FOCUS 細野・高橋 A.4. 音楽/ONGAKU 坂本 A.5. OPENED MY EYES 高橋 B.1. 以心電信(予告編)/
YOU'VE GOT TO HELP YOURSELF高橋・坂本 B.2. LOTUS LOVE 細野 B.3. 邂逅/KAI-KOH 坂本 B.4. 希望の河/EXPECTIONG RIVER 高橋・坂本 B.5. WILD AMBITIONS 細野・坂本
1983年7月発売。歌謡曲ノリの前作「NAUGHTY BOYS(浮気なぼくら)」は爆発的なヒット作となった。このノリの良さを前期YMOのように楽しもうというのがこのインスト版である。
しかし、さすがYMO。ヴォーカルをインストで弾き直しただけの物ではない。微妙にアレンジが変えられている。特に、「WILD AMBITIONS」のベースは、存在感があって、ユニークなサウンドである。
その後、高橋ユキヒロは「薔薇色の明日」をリリース。
曲順 曲 名 作曲者 A.1. CHAOS PANIC 細野 A.2. 希望の路/EXPECTED WAY 高橋 A.3. FOCUS 細野・高橋 A.4. 邂逅/KAI-KOH 坂本 A.5. 希望の河/EXPECTIONG RIVER 高橋・坂本 B.1. 以心電信/YOU'VE GOT TO HELP YOURSELF 高橋・坂本 B.2. LOTUS LOVE 細野 B.3. 音楽/ONGAKU 坂本 B.4. OPENED MY EYES 高橋 B.5. WILD AMBITIONS 細野・坂本
1983年12月発売。初回プレスは黄色のカラーレコードだった。「増殖」と同様にコントが納められている。今回は、三宅祐司が率いる「S.E.T.」こと「スーパー・エキセントリック・シアター」である。
コントには、YMOも参加している物がある。B面の最初のコントがそれで、洞窟での落盤事故が舞台である。このアルバムのコントが今でも生きているかどうかは定かではないが、知らないことがあると「それっ、知らんかとって、ちんとんしゃん」と叫んでしまうのは、YMOファンの性でもある。
サウンド的には、個々の個性が強くなり、YMOのアルバムと言うより、3人のオムニバス・アルバムと言った方がよい感じである。これを聴いたとき、「YMOももう終わりだなぁ。」と感じたものである。(同様に、TMネットワークの「Carol」、SPEEDの「ALL MY TRUE LOVE」を聞いたときも、その終わりを感じた。最高の出来はその後のそれ以上が期待できなくなり、その終わりを予感させる。もっとも、このYMOに限ってはこのアルバムが最高なのではなく、「方向性がバラけて一つのグループとしてやっていけないだろうな」と感じたのだが。)
それでも、3人の共作(「SEE-THROUGH」)はどの個性にも属さず、インパクトの強い物になっている。どうせなら、「過激な淑女」もアルバムに入れて欲しかった。
曲順 曲 名 作曲者 曲順 曲 名 作曲者 A.1. Limbo 細野・高橋 B.1. S.E.T.+Y.M.O. − A.2. S.E.T. − B.2. Shadows on the Ground 高橋・坂本 A.3. The Madmen 細野 B.3. S.E.T. − A.4. S.E.T. − B.4. See-Through YMO A.5. Chinese Whispers 高橋 B.5. S.E.T. − A.6. S.E.T. − B.6. Perspective 坂本 A.7. 以心電信 高橋・坂本 B.7. S.E.T. −
1984年2月発売。1983年の散開コンサートの模様を収録したものだ。レコードは2枚組で、「SERVICE」以外の曲が収録されている。(後に発売された「COMPLETE SERVICE」には全曲が収録されている。)その収録順だが、演奏された順ではなく、作成者の意図で後半が変わっている。A面はYMO前期、B面がYMO後期、C面がベスト、D面がシングル集と言った感じ。このC面〜D面がくせ者で、本当の曲順は、FIRECRACKER→アンコール(過激な淑女、胸キュン)→アンコール(テクノポリス、ライディーン)である。CD版は、無理に1枚にまとめようとして、「FOCUS」、「邂逅」、「SEE-THROUGHT」がカットされている。後に2枚組として再発売され、これらの曲は復活した。
サウンド的にはドラムがシモンズのエレクトリックドラムで、途中からデビッド・パーマが演奏している。幸宏はボーカルに専念し、間奏はドラムのフィルインやキーボードを演奏。アレンジは可能な限り音数を減らすことを基本にしている。このライブで一番気に入っているのは「中国女」である。非常にポップで、明るい曲に仕上がっている。あと、テクノポリスとライディーンがメドレーになっている点もポイントが高い。
そして1984年4月、映画「プロパガンダ」を公開を最後に、YMOは6年間の活動にピリオドを打った。(アルバム作成は1983年で終わっており、実質の散開は1983年で、活動期間は5年間である。)
曲順 曲 名 作曲者 曲順 曲 名 作曲者 A.1. Propaganda YMO C.1. 希望の河 高橋・坂本 A.2. 東風 坂本 C.2. See-Through YMO A.3. Behind The Mask 坂本 C.3. Key 細野・高橋 A.4. Solid State Survisor 高橋 C.4. Techonopolis 坂本 A.5. 中国女 高橋 C.5. Rydeen 高橋 B.1. Ongaku 坂本 D.1. 以心電信 高橋・坂本 B.2. Focus 細野・高橋 D.2. 過激な淑女 YMO B.3. Ballet 高橋 D.3. 君に、胸キュン。 YMO B.4. Wild Ambitions 細野・坂本 D.4. Firecracker マーティン・デニー B.5. Kai-Koh 坂本
散開後10年の1993年5月にYMOは再生(再結成)し、このアルバムを発売。「YMO再生期」と呼んでも良いだろう。ライナーノーツを見ているとYMOの文字の上には×が書いてあり、それは「バツイチ」を表しているのかもしれない。確かに一度離婚したのだから...
このアルバムはMEには難しすぎる。テクノと言うより、環境音楽に近い感じだ。繰り返される「スーパーマン」の呼び声。イルカの鳴き声。ミニマル・ミュージックとも言える。「チャンス」では、当時の流行であったモーフィング(画像が違う画像になめらかに変わっていくCG効果)をサウンドで表現してみたかったと言うことから、徐々にテンポが落ちていき、雰囲気が変わる。そしてラストにライディーンが...
このアルバムで唯一ボーカルがフューチャーされているのが「ポケットが虹でいっぱい」である。ドラマの主題歌にもなっていたが、これはちょっと異色。YMOとしては「ファイヤークラッカー」、「デイ・トリッパー」に続く数少ないカバー作品であるからだ。
曲順 曲 名 作曲者 曲順 曲 名 作曲者 M-1. BE A SUPERMAN 高橋・坂本 M-7. NOSTALGIA 坂本 M-2. NANGA DEF? YMO M-8. SILENCE OF TIME 高橋・坂本 M-3. FLOATING AWAY 細野・高橋 M-9. WATERFORD 高橋・坂本 M-4. DOLPHINICITY 細野 M-10. O.K. 細野・高橋 M-5. HI-TECH HIPPIES YMO M-11. CHANCE 坂本 M-6. I TRE MERLI YMO M-12. POCKETFUL OF RAINBOW Fred Wise &
Ben Weisman